みなさんこんにちは
神戸で活動する社労士、山本純二です。
もうすぐ卒業、入学シーズンですね。別れと出会いの季節、新たな風の流れはじめるシーズン。
新社会人となる方は慣れ親しんだアルバイト先とのお別れ、また新たに学生生活が始まる人にとっても新たな出会いがはじまりますね。そうしたなかで、飲食店や小売店などをはじめ多くの職場にとっていまや欠かすことのできない存在となった「学生アルバイト」。「学生だから、社会保険の手続きは関係ないよね?」 「テスト期間でもシフトに入ってもらわないと困るよ」とこういう声もまだまだ耳にすることがあります。
しかし、ちょっとまって。そこは注意が必要です。
今回の記事は、学生さんを雇用する側として知っておきたい「保険」や「働き方」のポイントを取り上げ、まとめてみました。
1.「学生=保険なし」じゃない
まずはじめに確認しておきたいのが、健康保険・厚生年金、そして雇用保険です。
一般的に「学生は親の扶養に入っているから適用外」というイメージが強いですが、実は学生であっても加入義務が発生してしまうケースもあるので注意が必要です。
特に注したいのが
以下のケースです。
〇夜間学部の学生さんや、休学中の学生さん
通常の昼間学生とは異なり、労働時間などの条件(週20時間以上など)を満たすと、雇用保険や社会保険の加入対象になることがあります。
〇長時間働いている学生さん正社員の4分の3以上の労働時間・日数働いている場合は、学生であっても加入が必要です。
〇「週20時間以上」働く学生さん
従業員数が51人以上の事業所など一定の条件を満たす場合、昼間学生であっても要件(月額賃金8.8万円以上など)に当てはまれば社会保険の加入が必要になる場合があります。
また、労災保険については、学生かどうかにかかわらず、1日だけの短期アルバイトも含めたすべての労働者が対象です。「学生だから」と安易に考えず、一人ひとりの状況(夜間学生ではないか?休学中ではないか?)をきちんと確認しておくことが大切です。
2.「見えない労働時間」になっていませんか?
お店などが忙しいと、つい準備や片付けを急いでもらいたくなるときがあるのではないでしょうか。
そういう事情は理解できますが、以下のような時間は「労働時間」として賃金の支払いが必要ですので注意しましょう。
- 制服への着替え時間
- 始業前の準備・掃除の時間
- 終業後の片付けや報告書の作成時間
「準備は5分前集合で」といったルールはよくありがちですが、実は労働時間に含まれる可能性も。またタイムカードの打ち忘れがないかなど改めて見直してみるのも必要です。これは学生さんだけではありません。今いる社員さんにもあてはまること。今の会社の運用ルールがどうなっているのか確認してみましょう。
3.学業との両立を応援するシフト作りを
学生さんの本業は学業です。 厚生労働省も、試験期間中などは学生の希望を尊重し、シフト調整に配慮することを求めています(スタートアップ労働条件 https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/parttime/)。
✔本人の同意なく一方的にシフトを変更していませんか?
✔テスト期間中の休みの相談に乗れていますか?
無理なシフトを強要してしまうと、トラブルの原因になるだけでなく、結果として早期離職につながってもしまいます。「試験、頑張ってね」と送り出せるような職場なら、学生さんもきっと長く働きたいと思ってくれるはずです。
4.アルバイトでも「有給休暇」はあります
意外と忘れられがちなのが、年次有給休暇。「アルバイトに有給はない」と思われていることも多いですが、実は週の勤務日数が少なくても、6か月以上継続して勤務し、所定の出勤率を満たしていれば、有給休暇は付与されます。
(スタートアップ労働条件 https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/parttime/)
「有給があるなんて知らなかった!」と後でトラブルにならないよう、雇い入れの際にしっかり説明しておきましょう。
学生のアルバイトさんを雇用する際には、最初にきちんと「労働条件通知書」を交付し、時給や働く期間、仕事内容などの条件を書面でしっかり共有することが大切です。少し手間に感じるかもしれませんが、面倒でも丁寧な対応が職場への信頼感を高めます。「ここで働いてよかった」と思ってもらえる環境づくりにつながるのではないでしょうか。ぜひこの機会に、職場のルールをチェックしてみてくださいね。
